剥落止め はくらくどめ
彩色や漆塗などの塗膜は経年により接着力が弱まっていきます。
このような劣化を遅延させるために塗膜を再接着させ、現状を保存していくことを剥落止めといいます。
創建された当時の状態を維持して未来に伝える、現状維持を基本とする文化財において、重要な技法となります。
剥落止めは繊細な作業であり、絵具の種類や絵具層の厚みといった当時の塗装をまず理解し、そして劣化の状況をよく観察し、施工方法を検討する必要があります。当時の状態をより美しく保存するためには、漆塗りや彩色に関する深い知識が欠かせません。
島津漆彩色工房では、これまで培った技術と経験をもとに、文化的な価値を大切に残していくための施工を行っています。